WANIMA『やってみよう』原曲と歌詞の真実|名曲誕生の軌跡を徹底解説
2017年の元日にオンエアされたau三太郎シリーズのテレビCMで突如として全国のお茶の間に鳴り響き、またたく間に社会現象となったWANIMAの代表曲『やってみよう』。どこか懐かしいキャッチーなメロディと、熊本出身の3ピースロックバンドならではの疾走感あふれるパンクロックサウンドが融合した本楽曲は、リリースから年月を経た現在でも世代を超えて愛され続けています。
一方で、初めて耳にした瞬間に「このメロディ、どこかで聴いたことがある」と感じた方も多いのではないでしょうか。誰もが一度は口ずさんだことのある童謡をベースにしながら、なぜこれほどまでに人々の心を震わせる名曲へと昇華したのか、その制作背景から歌詞に込められた心理的メッセージ、さらには学校現場やバンド演奏における広がりまで、音楽ジャーナリズムの視点から徹底的に紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:原曲・元ネタは誰もが知る童謡『ピクニック』(イギリス民謡)。パブリックドメインのメロディをWANIMA流の極上メロディック・パンクへ再構築した。
- 要点2:au「三太郎」CM企画から生まれた楽曲であり、反響の大きさからフルバージョンが制作され、デジタル配信シングルや大ヒットアルバム『Everybody!!』に収録された。
- 要点3:失敗を恐れる心理的ブレーキを外す前向きな歌詞とストレートな歌割りが支持され、運動会の定番曲や初心者のギター練習曲としても不動の地位を確立している。
【原曲と元ネタの真相】誰もが知る童謡『ピクニック』がパンクロックに化けた理由
『やってみよう』のサビを聴いた瞬間に誰もが思い浮かべるのが、「丘を越え 行こうよ 口笛吹きつつ」というフレーズでおなじみの童謡『ピクニック』です。この曲のルーツを辿ると、イギリス民謡、あるいはアメリカの伝統歌曲『She'll Be Coming 'Round the Mountain』の旋律をベースに、日本では萩原英一氏の訳詞で親しまれてきた歴史があります。
auの「三太郎」シリーズを手がけるクリエイティブチームは、新年の幕開けにふさわしいテーマとして「やってみよう」というシンプルな行動原理を掲げました。誰もが幼少期から身体に染み込んでいる親しみやすい旋律を用いることで、初聴時の心理的ハードルを一気に下げ、そこにWANIMA特有の爆発的なエネルギーをぶつけるという斬新なアプローチが採用されたのです。
当時、CMのオンエアが始まるや否や、SNS上では「あの童謡がこんなにカッコいいロックになるのか」「WANIMAが歌うと元気が湧いてくる」と大反響を巻き起こしました。既存の童謡をただカヴァーするのではなく、BPMを大幅に引き上げ、歪んだディストーションギターとパワフルなビートで再定義した点に、音楽的な大発明がありました。

【楽曲データ分析】配信日・収録アルバムから見る『やってみよう』の公式スペック
CM公開当初はわずか数十秒のショートバージョンのみでしたが、視聴者からのフルサイズ音源化を求める声が殺到しました。これに応える形で追加レコーディングが行われ、正式なリリースへと至っています。
| 項目 | 詳細・公式データ | 一般的な楽曲の傾向 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 原曲・元ネタ | イギリス民謡/童謡『ピクニック』 | オリジナル書き下ろしが主流 | パブリックドメインの童謡を活用し、幅広い世代への即効性を獲得 |
| デジタル配信日 | 2017年3月8日 | CM放映と同時または直後 | 元日CM公開から約2ヶ月後の配信となり、期待値を最大化させた |
| 収録アルバム | メジャー1stフルアルバム『Everybody!!』(2018年1月17日発売) | シングル表題曲中心の構成 | オリコン週間1位を獲得した金字塔アルバムのキラーチューンとして収録 |
| 作詞・作曲クレジット | 作詞:篠原誠 / 作曲:イギリス民謡 / 編曲:WANIMA | バンド単独での作詞作曲 | CMプランナーのコンセプトとバンドの演奏力が完璧にシンクロ |
【歌詞の意味と歌割りを深掘り】なぜこの言葉は世代を超えて刺さるのか
『やってみよう』の歌詞が持つ最大の特徴は、精神論としての根性論ではなく、「行動を起こすこと自体の楽しさ」を肯定している点にあります。「正しいより 楽しい」「正しい夢より 面白い夢」というフレーズは、社会的な規範や正解探しに縛られがちな現代人の心理的緊張をふっと解きほぐす力を持っています。
歌詞の意味を構造的に読み解くと、以下のような心理的アプローチが見えてきます。
- 減点方式からの脱却:「倒れるなら 前に倒れよう」「やってみよう」と、失敗を前提とした上で一歩を踏み出す勇気を肯定する。
- プロセスの賛美:結果の成否ではなく、挑戦している瞬間そのものが価値であるという価値観の提示。
- 無条件の自己肯定:完璧を求めず、不器用でも前を向く姿勢を等身大の言葉で包み込む。
また、WANIMAの歌割り(ボーカルの役割分担)の妙も見逃せません。基本となるメインボーカルはKENTAが担当し、圧倒的な声量と突き抜けるハイトーンで主旋律を力強く牽引します。そこにギターのKO-SHINとドラムのFUJIが息の合ったコーラスを重ねることで、分厚いシンガロング(合唱)が生まれます。
サビの「やってみよう!」という掛け声の部分は、聴き手も自然と声を合わせたくなる構成になっており、ライブ会場はもちろんのこと、教育現場やスポーツイベントでも一体感を生み出す原動力となっています。

【実態検証】運動会や学校行事で定番化した背景と現場の声
リリースから現在に至るまで、『やってみよう』が最も根強く使われ続けている現場の一つが、保育園・幼稚園から小中学校までの「運動会」や体育祭です。教育関係者や保護者の間では、定番のダンス演目曲や応援合戦のテーマソングとして完全に定着しています。
教育現場でこれほどまでに重宝される理由について、現場の教職員からは次のような声が寄せられています。
「児童がリズムに乗りやすく、振付が覚えやすいのが最大の利点。また、歌詞に『失敗してもいいから挑戦しよう』というメッセージが込められているため、運動が苦手な子どもたちへの教育的配慮としても非常に使いやすい楽曲です」(公立小学校教諭・30代)
知恵袋や子育てコミュニティでも、「今年の運動会で子どもが踊っていて感動した」「家族全員で口ずさめる最高の応援ソング」といった投稿が毎年秋になると数多く見受けられます。テンポが一定でリズムが取りやすく、かつ子どもたちの士気を高めるポジティブなエネルギーが、教育的な文脈とも見事に合致した結果といえます。
【演奏のツボ】初心者にも優しいギターコードとバンドアンサンブル
『やってみよう』は、軽音楽部や楽器初心者が最初に挑戦する課題曲としても絶大な人気を誇ります。その理由は、基本となるギターコードのシンプルさと、メロディック・パンクの基礎が凝縮されたアレンジにあります。
レギュラーチューニングで演奏する場合、基本コードはG、D、Em、Cといった主要なローコード(あるいはパワーコード)を中心に構成されています。複雑なテンションコードや難解なコードチェンジが少なく、右手のリズムキープとブリッジミュート(弦を手のひらで軽く押さえて音を切る奏法)の練習に最適です。
バンドで演奏する際のポイントは以下の3点です。
- ドラムのビート感:BPM約180前後の2ビート(高速パンクビート)を最後までタイトに維持することが演奏全体の躍動感を左右します。
- ベースの推進力:ルート弾きを中心としながらも、KENTA特有の太くうねるベースラインで楽曲のボトムを支えます。
- コーラスの全員参加:ギターやドラムを演奏しながらも、サビのコーラスをメンバー全員で力強く叫ぶことで、WANIMAらしい熱量が再現されます。

一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上の検索クエリや掲示板において、稀に「やってみようは盗作なのか」「パクリなのではないか」といった疑問を見かけることがあります。しかし、これは楽曲の成り立ちに関する完全な誤解です。
童謡『ピクニック』は、すでに著作権の保護期間が満了しているパブリックドメイン(公有)の民謡です。クラシック音楽や伝統的な民謡の旋律をポピュラー音楽に引用・アレンジする手法は、洋邦問わず音楽界で正当に確立された表現形態であり、権利関係も完全にクリアされた上で制作されています。
また、CM用の企画モノとして一時的な話題で終わる楽曲も多い中、本作がロングヒットを記録したのは、WANIMAが自身の音楽的アイデンティティを注ぎ込み、単なるパロディを超えた「本物のロックアンセム」へと昇華させたからです。このアレンジの完成度の高さこそが、誤解を一蹴し続ける最大の証拠となっています。
【プロの結論】行動心理学から紐解く「やってみる」ことの社会的価値
行動心理学やポジティブ心理学の観点から分析すると、『やってみよう』という楽曲は、人間の行動変容を促す強力なトリガー(引き金)を備えています。
人間は新しい行動を起こそうとする際、脳内で「現状維持バイアス」や「失敗への恐怖」が働き、挑戦を先延ばしにしがちです。しかし、「正しさ」よりも「楽しさ」を最優先に置くメッセージは、この心理的抵抗(認知的負荷)を劇的に軽減させます。行動を起こすことで自己効力感(セルフ・エフィカシー)が高まり、結果として前進できるという好循環を生む構造になっているのです。
- 心からおすすめできるシーン:新しい習い事や仕事への挑戦前、運動会や部活動の大会直前、バンド演奏を始めたい初心者の最初の1曲。
- 少し注意したい場面:極度のプレッシャーや過労で心が疲弊している時。ポジティブすぎる歌詞が負担に感じられる場合は、無理に元気を出すのではなく、静養を優先するバランス感覚が大切です。
【WANIMA「やってみよう」】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:原曲の童謡『ピクニック』と歌詞は全く同じですか?
A1:メロディは童謡『ピクニック』をベースにしていますが、歌詞はau三太郎CMのコンセプトに合わせて新たに作詞(原案:篠原誠氏)されたオリジナルです。童謡にある動物の鳴き声などのフレーズは使用されておらず、前向きなメッセージソングとして生まれ変わっています。
Q2:フルバージョンを聴くにはどのアルバムを購入・ストリーミングすれば良いですか?
A2:2018年1月17日にリリースされたメジャー1stフルアルバム『Everybody!!』の11曲目に収録されています。また、Apple Music、Spotify、Amazon Music、LINE MUSICなどの主要音楽配信サービスでも配信シングルおよびアルバム収録曲としてフル尺で楽しめます。
Q3:アコースティックギターでの弾き語りにも向いていますか?
A3:非常に向いています。原曲は高速なパンクロックですが、G、D、Em、Cなどの基本コードでゆったりとしたストロークで弾き語りをしても、メロディ自体の良さが際立つため、アコースティックアレンジとしても幅広く親しまれています。
Q4:カラオケで上手に歌うコツや歌割りのポイントはありますか?
A4:キーが高めに設定されているため、無理に原キーで歌おうとせず、自分の音域に合わせてキーを調整するのが第一です。また、サビの「やってみよう!」の掛け声部分は、一緒にいる仲間と一緒にマイクを通さず大声で叫ぶと、会場全体の一体感を高めることができます。
まとめ:挑戦のハードルを下げる名曲の普遍的価値
WANIMAの『やってみよう』は、親しみ深い童謡のメロディと熱狂的なパンクロックを見事に調和させ、日本中の背中を力強く押し続けてきた平成・令和を代表する応援歌です。
「失敗してもいいから、まずは一歩を踏み出してみる」というシンプルかつ普遍的なメッセージは、日常のあらゆる挑戦において私たちに勇気を与えてくれます。何かに迷ったときや新しいスタートを切りたいとき、この疾走感あふれるサウンドに耳を傾け、自分自身の「やってみよう」を見つけてみてはいかがでしょうか。 (出典: wanima やっ て みよう(Yahoo!ニュース))